団体交渉参加者

団体交渉のルールは、法律で決まっているものではなく、また、労働組合が一方的に決めるものでもありません。

団体交渉のルールは、当事者同士が話し合いながら決めていくものです。

したがって、団体交渉の参加者についても、それぞれの当事者が決定するのが原則です。

とはいえ、団体交渉は話し合いですから、誰が参加するかによって、交渉力が大きく異なります。そのため、団体交渉の参加者を決定するにあたっては、会社が不利になることのないよう、戦略的に検討しなければなりません。

「労働組合」と「会社」が団体交渉の当事者

団体交渉の当事者は、労働組合と会社です。

労働組合は、合同労組・ユニオンなどの外部労組の場合には、全く名もしらなかった団体が当事者となることに違和感がありますが、労働組合法上、労働組合としての要件を満たすのであれば、団体交渉の当事者となるということです。

その上で、団体交渉への参加者は、両当事者の判断で決定することとなります。

そのため、会社側でも、交渉権限を委任する専門家として、労働問題に強い弁護士の参加を検討することとなります。

会社側の参加者

会社側の参加者として、検討すべき人は、次の通りです。それぞれ、問題となっている団体交渉の議題に合わせ、参加をさせるか否かを検討しましょう。

人事・総務担当者(役員など)

まず、人事・総務担当者が、団体交渉の会社側の主要な人物となることが多いでしょう。

最も冷静な対応が期待でき、適任である方が多いかと思います。

この場合、団体交渉に参加する人事・総務担当者は、会社から交渉権限を委任された人物、ということとなります。

社長

社長を参加させるかどうかは、ケースバイケースといえるでしょう。

労働組合は、社長のOKさえもらえれば、労働問題が一挙に解決できますし、社長が労働法の知識に疎ければ、勢いで丸め込める可能性もありますから、社長の出席を強く望む場合が多いでしょう。

また、組合員となった労働者も、感情の標的は社長であることが多く、社長の出席を強く望むでしょう。

そのため、会社側の戦略的には、社長は参加しない方がいいケースの方が多いのではないかと考えます。

ただし、その場合であっても、団体交渉の担当となった社内の者が、労働組合から発せられるすべての質問、要求に対して、「社長の確認をとらなければ・・・」という回答しかできないとすれば、不誠実団交であるとして不当労働行為に該当する危険があります。

また、最終的な解決金の金額を調整、決定する等、経営判断が必要な場合には、社長が参加していた方が円滑に進む場合もあります。

直属の上司

議題となっている労働問題について、事実関係が争いになりそうだと予想できる場合には、その問題の事実関係に詳しい人物の参加を検討すべきで、直属の上司などが典型例として挙がります。

団体交渉申入書の時点で、また、事前の電話、書面による交渉の時点で、労働組合の主張が、会社の事実認識と大きく異なるという場合、事実関係を詳細に語ることができる者が、団体交渉の場において、組合員である当該労働者一人しかいないということになれば、その交渉で会社に有利な方向へ向かうことは困難です。

弁護士

労働問題に強い弁護士の中でも、団体交渉に参加することを厭わない弁護士と、団体交渉は会社のみで対応させ、不当労働行為として問題になったり、訴訟・労働審判などに移行したりしてから参加する弁護士とがいます。

当事務所では、不当な要求への抑止力となることから、依頼があれば積極的に団体交渉への参加を行っています。

顧問弁護士の依頼をしていて、議題となっている労働問題について顧問弁護士の指導の下に行っていたという場合には、事情を良くしる者として顧問弁護士に参加してもらうことも検討すべきでしょう。

顧問弁護士が労働問題に疎い場合には、労働組合への対応という特殊な問題について、顧問弁護士とは別の弁護士が対応するケースもあります。

また、弁護士ではなく社会保険労務士でも、団体交渉への参加を行う方もいますが、不当労働行為救済申し立て手続や、労働審判などのトラブルとなった場合には弁護士による代理が必要となります。

組合側の参加者

組合側の参加者は、議題の対象となっている会社の労働者に加え、上部団体の役員が同席するケースが多いといえます。

その肩書は、執行委員長、副執行委員長、書記長、副書記長、会計等といったものが一般的です。

また、その他の一般組合員が複数同席するケースが多いです。これらの組合員は、当該議題に対して部外者ではあるものの、組合員ですので同席をすることは可能です。

ただ、あまりに組合員の同席が多く、勝手気ままに発言する結果、団体交渉を進めることすらままならない状況であれば、団体交渉を一旦中断し、組合側の参加者の人数や内容について、話し合いをする方がよい場合もあります。

なお、上部団体の役職者が参加することがありますが、部外者であるとして排除しようとすれば、不当労働行為となる可能性の高い行為です。

労働問題・企業法務のお悩みは、弁護士へご相談下さい!

労働審判、団体交渉、就業規則、問題社員への対応など、使用者側の労働問題は、経験とノウハウが重要な、非常に難しい法律分野です。

会社を経営していくにあたり、労働者との交渉は避けられませんが、一度トラブルとなれば、致命的ダメージとなるケースもあります。弁護士に頼らずに社長自身で解決するとなると、莫大な時間とエネルギーが必要です。

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