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団体交渉・労働組合対応

労働組合の「ビラまき」は違法?名誉棄損・業務妨害にならない?

更新日:

労働組合との交渉を進めていくにあたって、労働組合が、「ビラまき(ビラ配布)」や、「ビラ貼付」という組合活動を行うことがあります。

実際にこのような手段に出ることまではしなかったとしても、団体交渉の席上で、「ビラまきを行うことになる」という発言をしてくることがあります。

会社側(企業側)としては、労働組合の権利が手厚く保証されていることを知りながら、まかれるビラの内容によっては、会社に対する名誉棄損・業務妨害になるのではないかと、不安がつのることでしょう。

労働組合(合同労組・ユニオンなど)によるビラまき、ビラ貼付が違法となることがないのかどうか、制限することはできないのかどうかについて、基本的な知識を理解しておきましょう。

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弁護士
浅野英之

弁護士法人浅野総合法律事務所、弁護士の浅野です。

労働組合から、団体交渉の席上で、さまざまな発言を受けることがあります。中でも、「ビラ」に関する発言は、会社側(企業側)にとって、大きな不安材料となることが多いのではないでしょうか。

「ビラ」をめぐる労働組合の権利、発言の内容などを詳しく理解しておくことによって、団体交渉においても、「ビラ」に関する組合活動に対しても、正しい対応を徹底しましょう。

禁止される「ビラ配り」とは?

労働組合が「ビラ配り」(ビラ配布、ビラまきなど)を始めたとき、会社側(企業側)として、どのように対応したらよいでしょうか。

「ビラ配り」(ビラ配布、ビラまきなど)については、場所、時間、ビラの内容などを総合的に検討する必要があります。会社内のビラ貼り付けとは違い、配るだけであれば、「経営三権」のうちの「施設管理権」を侵害しないからです。

裁判例の判断では、「企業の円滑な運営に支障をきたすかどうか」によって判断され、支障をきたさない「ビラ配り」は、禁止することができないケースもあります。

注意ポイント

正当な組合活動として行われた「ビラ配り」(ビラ配布、ビラまき)などは、労働組合法において民事上の責任が免責されています。

そのため、正当な組合活動といえる場合には、これによって負った会社側(企業側)の損害の賠償を求めたり、差し止め請求したりすることができません。

ビラ配布の「時間」

労働組合活動は、業務時間外(就業時間外)に行うのが原則です。ビラ配布も同様です。

労働協約や慣行によって、業務時間中(就業時間中)に組合活動をすることが許されている場合でない限り、「職務専念義務」に違反する組合活動は、正当な組合活動とはいえません。

業務時間中(就業時間中)は、労働者は、使用者(会社)の指揮命令に従って労働しなければならないからです。したがって、業務時間中のビラ配りは、正当な組合活動ではありません。

休憩時間中は、「自由利用」が保障されているため、組合活動をすることができますが、休憩時間中であっても、会社内での組合活動は、次に解説する「施設管理権」侵害の問題を考えなければなりません。

ビラ配布の「場所」

会社の敷地内で行う組合活動は、正当な組合活動ではない可能性があります。会社には、業務遂行にともなって会社の施設を管理する権利「施設管理権」があり、会社内での組合活動は「施設管理権」を侵害するからです。

したがって、使用者(会社)の許可を得ず、会社内で行われるビラ配りは、正当な組合活動ではありません。

もっと詳しく!

会社内でビラ配りをすれば、休憩時間中であっても、

  • 他の従業員の休憩時間の利用を妨げること
  • 休憩時間後の、他の従業員の業務効率に影響を与えること

など、企業秩序を侵害することを理由に、会社内のビラ配りを「許可制」とすることを認めた裁判例があります。

注意ポイント

ただし、「ビラ配布」は、「ビラ貼付」のように、会社の施設自体を直接利用するわけではないため、その判断基準はゆるやかです。

例えば、会社の敷地内であっても、事業所内ではなく、会社正門と歩道の間であれば、企業秩序を乱すおそれはなく、正当な組合活動であるとした裁判例があります。

ビラ配布の「態様」

業務時間外(就業時間外)であり、会社の敷地外で行われたビラ配りであっても、その配布の態様によっては、正当な組合活動ではないと判断できるケースもあります。

そのビラの配布態様が、会社の業務に大きな支障を与えたり、会社の代表者・役員の私生活に悪影響を与えたりするケースがこれにあたります。

裁判例において、正当な組合活動ではないと認められたケースには、例えば次のようなものがあります。

例えば・・・

  • 社長(代表者)の自宅前で行われたビラ配り
  • 社長(代表者)の自宅前で行われた街宣活動

これら、正当な組合活動とはいえないビラ配り(ビラ配布、ビラまき)が行われる場合には、会社側(企業側)としては、差し止め請求、損害賠償請求を検討しましょう。

禁止される「ビラ貼付」とは?

「ビラ貼付け」の場合には、「ビラ配布」と比べて、会社の施設を利用しなければ、行うことができません。

「経営三権」という会社の権利として認められる「施設管理権」を侵害することになります。

そのため、「ビラ貼付け」は、会社側(企業側)の許可がない限り、原則として行うことができません。

労働組合が、団体交渉において、「掲示板を貸してくれ」と求めてくるなど、「ビラ貼付け」を行うことができるようにしようと働きかけてきますが、これに応じるかどうかも、会社側(企業側)の自由です。

参 考
「経営三権」について、詳しくはこちらをご覧ください。

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ビラの内容が違法な場合とは?

ビラ配布、ビラ貼り付けなどで使用されたビラの内容自体が違法といえるケースもあります。

ビラの内容が違法であるかどうかは、ビラの内容が真実であるか、また、ビラの目的、態様が正当であるかといった観点から判断されます。

ビラの内容自体が違法であるケースとは、例えば次のようなものです。

  • ビラの内容が、個人の名誉・プライバシーを不当に侵害するもの
  • ビラの内容が、虚偽であったり、事実を不当に歪曲したりするもの
  • ビラの内容が、会社の営業秘密を不当に侵害するもの

もっと詳しく!

インターネットが一般に普及した近年では、労働組合もまた、ホームページを持っている組合が大半です。

労働組合が、労働組合のホームページ上に情報を掲載する行為は、業務時間外(就業時間外)に行われ、会社外で行われる行為ですから「時間」、「場所」、「態様」の面では、正当な組合活動といえるでしょう。

そこで、インターネット上の情報に問題があるかどうかは、その内容面を検討することで判断することとなります。

ここまでに解説したような、問題のあるビラの内容と同様の情報が、労働組合のホームページ上に公開されたときは、その情報公開は、正当な組合活動ではありません。

違法な組合活動(ビラ配布・ビラ貼付)への対応方法

ここまでお読みいただければ、ビラに関する組合活動のうち、違法とされ、禁止されるべきビラ配布、ビラ貼付について、ご理解いただけたのではないでしょうか。

労働組合の組合活動は、憲法、労働組合法などの重要な法律で保障されてはいますが、どのような行為であっても労働組合法に定めた「民事免責」が適用されるわけではありません。

そこで、違法な組合活動(ビラ配り、ビラ貼り付け)に対して、会社側(企業側)がどのように対応したらよいか、とり得る手段をまとめました。

損害賠償請求

労働組合法で定められた「民事免責」が適用されない、正当ではない組合活動の場合には、会社側(企業側)の負った損害の賠償を請求することができます。

ビラ配り、ビラ貼り付けの態様、経緯、目的、業務に与える支障などを考えて、「正当でない組合活動」といえる可能性がある場合、これによって負った損害を立証する必要があります。

差止請求

損害賠償請求と同様に、その組合活動(ビラ配り、ビラ貼り付け)が正当ではない場合には、「民事免責」が及ばず、裁判所において差し止めを命じてもらうことができます。

差し止め請求とは、損害賠償請求による事後的な救済では、損害の回復が困難な切迫したケースで、その行為を止めてもらうことができる制度のことをいいます。

許可制

業務時間中(就業時間中)のビラ配り・ビラ貼付については、職務専念義務があることから、「許可制」にすることができます。

また、業務時間外(就業時間外)であっても、会社内で行われるビラ配り、ビラ貼付については、「施設管理権」を侵害する態様のものは、「許可制」とすることができます。

懲戒処分・解雇

適切に「許可制」とされた組合活動について許可を得なかったり、「許可制」でなくても、正当な組合活動とはいえない場合には、会社側(企業側)は、組合員である従業員に対して、制裁を下すことを検討します。

正当ではない組合活動によって、業務に大きな支障を与えた場合には、その程度に応じて、懲戒処分解雇を検討することができます。

労働組合対応は、弁護士にお任せください

今回は、労働組合対応のうち、労働組合が、団体交渉以外でよく利用する組合活動である、「ビラ配布」、「ビラ貼付」について、解説しました。

「ビラ配布」、「ビラ貼付」が、正当な組合活動として行われるときは、労働組合法によって、労働組合の民事上、刑事上の責任を追及することができません。

しかし、「ビラ配布」、「ビラ貼付」の組合活動は、どのような場合であっても許されるわけではなく、「時間」、「場所」、「態様」などにおいて、一定の制限を受けます。

正当な組合活動とはいえない労働組合の行為によって、会社側(企業側)の業務に支障を生じるときは、厳しい対応が必要となります。

労働組合が行う活動について「正当な組合活動といえるかどうか。」という専門的な判断は、弁護士のアドバイスをお聞きください。

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弁護士法人浅野総合法律事務所(東京都中央区)では、労働問題と企業法務しています。 会社で、常日頃から問題となる労働問題と企業法務に特化することで、会社を経営する社長、人事労務の担当者の目線に立って、親 ...

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