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労働組合加入通知書・労働組合結成通知書で会社が注意するポイント

更新日:

労働組合加入通知書とは、合同労組(ユニオン)が、会社側(企業側)に対して、従業員が労働組合に加入したことを知らせる通知書のことをいいます。

労働組合結成通知書とは、合同労組(ユニオン)が、会社側(企業側)に対して、労働組合を作ったことを知らせる通知書のことをいいます。

いずれも、合同労組(ユニオン)が、会社側(企業側)に対して、団体交渉を申し入れるための布石として機能する書面です。

労働組合加入通知書を見た会社の方からは、弁護士に対して、次のような法律相談があります。

よくあるご相談

全く知らない団体のため、相手にしたくない。
労働組合を勝手に結成したり、労働組合に勝手に加入したりすることを許可していない。
そもそも当社には、労働組合は存在しないはずである。

しかし、これらいずれの法律相談も、労働組合をめぐる法律知識への理解が足りないといわざるをえません。

突然送られてきてしまった労働組合加入通知書、労働組合結成通知書に対して、会社側(企業側)がどのような点に注意してチェックしたらよいか、ポイントを詳しくみていきます。

参 考
団体交渉申入書の注意ポイントは、コチラをご覧ください。

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弁護士
浅野英之

弁護士法人浅野総合法律事務所、弁護士の浅野です。

当事務所では、合同労組(ユニオン)などの労働組合との間で起こる、団体交渉、不当労働行為などの問題を、得意としてきました。

多くの労働組合との間で団体交渉を行ってきましたので、数多くの「労働組合加入通知書」、「労働組合結成通知書」を見てきました。

労働問題を得意とする弁護士の立場から、これらの書面を会社側(企業側)が受け取ったとき、まずはじめにチェックしておきたい点を解説します。

労働組合加入通知書とは?

労働組合加入通知書とは、社内の従業員、もしくは、元従業員が、労働組合に加入したことを会社に示す書類です。

「当社には労働組合はなかったはず・・・。」と思う社長もいらっしゃるかもしれませんが、合同労組(ユニオン)は、社外の団体であって、どの会社の労働者でも加入できる労働組合なのです。

労働組合加入通知書の例は、例えば次のようなものです。

平成○○年○月○日
株式会社○○○○
代表取締役 ○○○○ 殿
○○○労働組合○○支部
執行委員長 ○○○○
労働組合加入通知書

株式会社○○○○で働く下記の労働者は、平成○○年○月○日、○○○○労働組合に加入しましたので、その旨通知します。


組合員 ○○○○
組合員 ○○○○
組合員 ○○○○
以上

労働組合結成通知書とは?

労働組合結成通知書を受け取った会社は、十分注意して、慎重にチェックをしましょう。

労働組合結成通知書は、御社の中に、労働組合が結成されたことを通知する書類だからです。

さきほど労働組合加入通知書の説明でも、「当社には労働組合はないはずでは。」という疑問を紹介しました。労働組合結成通知書を受け取ったということは、既に御社内に、労働組合ができた、ということを意味しています。

多くは、外部の合同労組(ユニオン)のアドバイスを受け、その下部団体として結成されるケースが多いです。

外部の合同労組(ユニオン)は、団体交渉などの経験が豊富な、いわゆる「専従組合員」を要するプロ集団の可能性が高いです。

また、労働組合結成通知書が送られてきたということは、既に、御社の中で、組合員となっている労働者は1名ではなく、複数名いる可能性もあります。

「加入通知書」と「結成通知書」の違い
  • 「加入通知書」は、外部の労働組合への加入、「結成通知書」は、内部に、合同労組(ユニオン)の下部組織を作ったことを示す。
  • 「結成通知書」の場合、組合員は1名の可能性もあるが、数名いる可能性もある。
  • 「結成通知書」の場合、上部団体の組合員から、指導、アドバイスを受けている可能性が高い。

労働組合結成通知書の例は、例えば次のようなものです。

平成○○年○月○日
株式会社○○○○
代表取締役 ○○○○ 殿
○○○労働組合○○支部
執行委員長 ○○○○
労働組合結成通知書

株式会社○○○○で働く下記の労働者は、労働組合法の規定に基づき、平成○○年○月○日、○○○○労働組合○○支部を結成しましたので、その旨通知します。


組合員 ○○○○
組合員 ○○○○
組合員 ○○○○
以上

労働組合加入通知書、労働組合結成通知書のチェックポイント

「労働組合結成通知書」、「労働組合加入通知書」がどのようなものかはわかりましたが、受け取った会社側(企業側)として、どの部分を見たらよいのかわかりません。

労働組合結成通知書、労働組合加入通知書と同時、もしくは、その後に、団体交渉の申し入れがなされることが一般的ですが、この書面だけでも、多くの情報を読み取ることができます。

書面のチェックポイントをしっかり理解していただくことによって、その後に行われる労働組合との団体交渉を、スムーズに、かつ、会社側(企業側)に有利に進めて頂く一助となります。

労働組合加入通知書、労働組合結成通知書に記載されている情報をチェックすることで、団体交渉を行うべき団体がどのような団体か、どのように交渉を行っていくべきかを、ある程度判断することができます。

そこで、書面のチェックポイントについて、弁護士が解説します。

合同労組(ユニオン)の名称を確認する

労働組合加入通知書、労働組合結成通知書が、どちらの団体から作成、交付されたかをチェックしましょう。

まずは、書面に記載されている合同労組(ユニオン)の名称を確認してください。

合同労組(ユニオン)には、それぞれ特色があります。相手方の団体が、どのような性質の団体であるかを知ることによって、団体交渉による話し合いに役立てることができるからです。

労働組合との団体交渉を、過去に数多く行った実績ある弁護士であれば、その労働組合と団体交渉をした経験があったり、担当者を知っていたりすることもあります。

CHECK
合同労組とは?合同労組の調べ方についてはこちらもご覧ください。

まずは団体交渉の相手方をよく知りましょう。合同労組、ユニオンとはどのような存在か?について解説します。合同労組(ユニオン)は、労働問題の交渉に関するプロであり、労働基準法、労働組合法の知識を熟知しています。

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支部が設置されたか確認する

労働組合加入通知書、労働組合結成通知書の記載をチェックすれば、御社内に、労働組合の支部が設置されたかどうかがわかります。

上部団体の名称の下に、会社名のついた労働組合名が記載されている場合、社内に、合同労組(ユニオン)の支部が結成されてしまったことを意味しています。

例えば・・・

「株式会社企業労働」という会社の中に、「労働ユニオン」という合同労組の支部が結成されたときには、「労働組合結成通知書」という題名の書類が、「労働ユニオン 株式会社企業労働支部」という宛先から送られてきます。

これに対して、支部名の記載はなく、「労働組合加入通知書」という題名の書類が、「労働ユニオン」から送られてきたときは、まだ支部は結成されていないと思ってよいでしょう。

支部が設置されると、多くのケースでは労働問題が長期化します。

社内に、労働組合の支部が結成されてしまった場合には、次のような点に注意をして対処する必要があります。

労働組合の支部ができたときの注意点

複数の従業員(労働者)を巻き込んだ、集団労使紛争に発展するおそれが高まる。
既に組合に加入した従業員(労働者)が、他の従業員(労働者)を支部組合に加入するよう勧誘する。
会社内で、ビラ配り、ビラ貼り付けなどの組合活動を行うおそれが高まる。

したがって、支部が設置されたかどうかを確認し、支部が結成された場合には特に慎重な対応が必要です。

労働組合の役職者を確認する

労働組合加入通知書、労働組合結成通知書には、労働組合における役職とともに、その役職につく労働者の名前が記載されています。

特に、会社内に合同労組(ユニオン)の支部が結成されると、御社の従業員が、労働組合の役職者(執行委員長・書記長など)になります。

労働組合の方針は、この労働組合の役職者(執行委員長・書記長など)が決めることとなりますので、誰が執行委員長であるかは、これらの書面で確認をして、知っておくようにしましょう。

中心となる従業員(労働者)が誰であるかによって、今後引き起こされる団体交渉が、どの労働者の、どのような労働問題を議題としてくるかが予想ができ、準備をすることができます。

注意ポイント

労働組合の役職者(執行委員長・書記長など)がわかったからといって、その従業員(労働者)に対して不利益な処分をすることはできません。

労働組合の役職者(執行委員長・書記長など)に対して、個人的に働きかけ、組合活動を中止するよう指示すれば、「不当労働行為」という違法行為になる可能性が高いので、お勧めできません。

労働組合への加入状況を確認する

最後に、労働組合への加入状況を知っておく必要があります。

これは、労働組合加入通知書、労働組合結成通知書の本文を見ればわかります。

社内の従業員(労働者)のうち、誰が労働組合に加入したのかを知ることによって、どのような労働問題が議題となるかを確認することができるからです。

団体交渉とはいえども、個別の労働者の労働問題の解決が目的であることが多くあります。その意味で、団体交渉は、問題解決のための話し合いです。

労働組合への加入状況を確認するにあたっては、次のポイントを中心に検討してください。

加入状況のチェックポイント

  • 在職中の従業員か、退職後の従業員か。
  • 問題の多い従業員かどうか。
  • 加入した従業員がどのような労働問題を抱えているか。
  • 加入した従業員同士の関係が良好かどうか。

団体交渉の議題の中心となっている従業員が、既に退職済みの従業員の場合には、金銭的な解決で円満に団体交渉を解決できる可能性もあります。

労働組合加入通知書、労働組合結成通知書ってどの段階なの?

合同労組(ユニオン)に加入して、従業員(労働者)が団体交渉によって労働問題を解決する流れは、次のとおりです。

団体交渉までの流れ

  1. 従業員(労働者)が、合同労組(ユニオン)に相談する。
  2. 従業員(労働者)が、合同労組(ユニオン)に加入する。
  3. 合同労組(ユニオン)が会社に対して、その会社の従業員(労働者)が組合加入したことを通知する。
  4. 合同労組(ユニオン)が会社に対して、団体交渉の申入れを行う

したがって、これを見て頂ければわかるとおり、既に、労働組合加入通知書、労働組合結成通知書を受け取った段階で、労働問題はかなり進んでおり、会社側としては不利な状態からのスタートといってもよいでしょう。

そのため、「まだ団体交渉を申し入れられていないから大丈夫。」、「よくわからないからしばらく放置しておこう。」という態度は、お勧めできません。

社長おひとりでは冷静な判断ができず、怒り、悲しみ、驚き、動揺など、様々な気持ちが冷静な経営判断を阻害する場合には、弁護士にご連絡ください。

労働組合加入通知書、労働組合結成通知書を受け取ったら、すぐに弁護士に相談ください。

いかがでしたでしょうか?

今回解説したとおり、労働組合加入通知書、労働組合結成通知書は、非常に簡素な場合もありますが、多くの情報を含んでいる書類です。

また、これらの通知書が労働組合から送られてきたということは、今後、団体交渉などの労働トラブルが予想されます。

会社側(企業側)で、労働組合加入通知書、労働組合結成通知書からはじまる組合対応を、できるだけ有利に進めるためにも、組合対応の経験豊富な弁護士にご依頼ください。

この解説を書いている、弁護士法人浅野総合法律事務所では、「労働組合に従業員が加入してしまった。」、「従業員が労働組合を作ってしまった。」という法律相談を、数多く取り扱っています。

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弁護士法人浅野総合法律事務所(東京都中央区)では、労働問題と企業法務しています。 会社で、常日頃から問題となる労働問題と企業法務に特化することで、会社を経営する社長、人事労務の担当者の目線に立って、親 ...

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まとめ

企業の労働問題解決ナビをご覧いただきまして、誠にありがとうございます。

今回の解説では、労働組合加入通知書、労働組合結通知書が送られてきたけれど、どのように対応したらよいのでしょうか。」という会社側の疑問に回答しました。

この記事では、次のことを理解していただけます。

労働組合加入通知書と労働組合結成通知書の意味、違い、注意点
労働組合に加入されたり、結成されたりしたときの対応方法。

企業側(会社側)の労働問題、特に、団体交渉・組合対応の解決は、弁護士にお任せください。

当事務所では、経営者目線で、会社側(企業側)の立場で、労働問題を解決してきた豊富な実績がございます。

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