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団体交渉・労働組合対応

団体交渉を行う前に決めておくべき「事前準備」の基本

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団体交渉は、お話し合いの手続です。しかし、円満に話し合いできることはむしろ少なく、敵対的な話し合いとなることもあります。

そこで、労働組合との団体交渉を行う前に、基本的なルールについて、労使双方の話し合いをもって決めておくことが必要です。

団体交渉の本題は、あくまでも「労働問題」であって、「手続的なルール」の話し合いは、付随的なものです。

団体交渉の議題が、両者が感情的になって紛糾するおそれの強いものであればあるほど、「手続的なルール」については、付随して争いとならないよう、具体的、かつ、詳細に決めておいたほうがよいでしょう。

「団体交渉」のイチオシ解説はコチラ!

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弁護士
浅野英之

弁護士法人浅野総合法律事務所、弁護士の浅野です。

当事務所では、団体交渉への対応、同席を多く取り扱っています。

団体交渉に数多く対応することにより、一般的な団体交渉のルールを知ることができます。手続的なルールについては、労働組合にも受け入れてもらいやすい、ごく一般的なものとするのがよいでしょう。

最初の団体交渉より事前に決めなければならない

「団体交渉の手続的なルールについて話し合いで決めておかなければならない」と聞いて、「団体交渉の場で、決めればよい。」と考える会社もあるのではないでしょうか。

しかし、団体交渉の手続的なルール、すなわち、本題となる「労働問題」以外の決まりごとについては、第1回団体交渉より事前に決めておくべきです。

第1回、第2回と回数を重ねていくごとに、既に行われてきた慣行が、その後の団体交渉におけるルールとされてしまうおそれがあるからです。

例えば・・・

労働組合(合同労組)から、突然、団体交渉の申し入れを受けました。

すぐに団体交渉をしなければ違法となる、と書面に記載してあったので、会社内の会議室に、その日の業務時間中に労働組合を招き、団体交渉を行いました。

その後、団体交渉は、会社の会議室で業務時間中に行うことが続いていて、拒否したいですができません。他の社員にも知られるようになり、業務に支障が出ています。

まず「団体交渉に応じるべきかどうか」を検討しなかった、という問題点もありますが、上の例では、最初に決めたルールが、その後の団体交渉にも影響してしまっています。

団体交渉のやり方や、細かいルールは、最初の団体交渉に応じる前に、事前に決めておくべきであることを、よく理解いただけるのではないでしょうか。

団体交渉の手続的なルールは、話し合いで決まります。会社側(企業側)から提案する案は、会社側(企業側)にとって有利なものにしましょう。

団体交渉を行う前に決めておくべき事項は?

では早速、団体交渉を行う前に、決めておくべき事項について、順番に解説していきます。

なお、一度許した条件について、変更をするためには、労働組合を説得する必要が生じてきます。

ここでまとめた団体交渉前に決めておくべき事項について、決定するときには、次の3点に配慮してください。

ポイント

  • 会社側(企業側)の業務に支障が生じない条件であること
  • 会社側(企業側)にとって有利な条件であること
  • 労働組合(合同労組・ユニオン)の権利を侵害したり、不当労働行為になったりしない条件であること

団体交渉の開催場所

団体交渉の開催場所について、「どこで団体交渉を開催するか」を、団体交渉を行う前に決めておきましょう。

団体交渉の開催場所の候補には、次のような検討が必要です。

ポイント

  • 労働組合側に有利な「団体交渉の開催場所」
    :労働組合事務所内の会議室、会社内の会議室
  • 会社側が提案すべき「団体交渉の開催場所」
    :社外の第三者的な会議室

労働組合は、会社内の施設を利用して団体交渉を行うことを指定してくる場合がありますが、会社内の施設を無償で貸す必要はありません。

他の従業員に、労働問題が発生していることを知られるなど、業務に支障が生じる不都合もあります。

基本的には、労働組合といえども社外の者ですから、会社外で交渉をします。また、会社内の会議室ですと、終了時刻も決めづらい側面があります。

注意ポイント

労働組合の「会社内の会議室で行いたい。」という要求に対しては、「会議室があいていない。」「予定が入っていて利用できない。」といった理由で拒否しましょう。

この理由であれば、一度は会社内での団体交渉に応じてしまったとしても、第2回以降の団体交渉を会社外に誘導できます。

団体交渉の費用負担

団体交渉を、社外の第三者的な場所で行うこととなると、開催場所の費用負担が発生します。

団体交渉を行う前に、団体交渉の費用負担、すなわち、「誰が、団体交渉の会場費用を支払うか。」を決めておきましょう。

団体交渉の費用負担は、団体交渉を開催する場所の決定と密接にかかわってきます。団体交渉の開催費用は、会社側(企業側)が負担します。

団体交渉の費用を労働組合に負担させると、費用がかかることを理由に「会社内の会議室」、「労働組合事務所内の会議室」など、労働組合側に有利な場所に誘導されるスキを与えます。

団体交渉の開催日

karenda

団体交渉の開催日が決まらなければ団体交渉を行うことはできませんから、団体交渉を行う前に決めておくのは当然です。

通常、労働組合から団体交渉を申し入れられた際に、団体交渉の開催日がすでに指定されていることが多いです。

ポイント

  • 労働組合側に有利な「団体交渉の開催場所」
    :できるだけ直近の日程
  • 会社側が提案すべき「団体交渉の開催場所」
    :会社側(企業側)に有利な参加者の予定、同席する弁護士の予定に合わせた日程

労働組合の指定してきた開催日程にしたがう必要はありませんが、応じられない場合には、早めに再調整をお願いして、話し合いをする意思を示しましょう。

参加者の予定が合わなければ仕方ないことではありますが、あまりに先延ばしすると、「団交拒否」にあたるおそれがあります。

団体交渉の時間帯

労働組合が、団体交渉の日程を指定するとともに、時間帯についても指定してくることが一般的です。

労働組合は、団体交渉を、業務時間中に行うことを指定してきます。労働組合といえども、業務時間外にまで、団体交渉をするのは負担になるのでしょうか。

しかし、会社側(企業側)としては、業務時間内は、組合員といえども会社の業務を行ってもらう必要があります。

会社側(企業側)からは、業務時間外(主に、夜の時間帯)を指定することが一般的です。

団体交渉の時間数

団体交渉を行う時間数もまた、団体交渉を行う前に決めておかなければなりません。時間数を決めておかないと、終わりのない泥沼となりかねません。

労働組合(合同労組・ユニオンなど)から送られてくる団体交渉申入書には、開始時間が書いてあるものの、終了時間が書いていないことがあります。終了時間を書かないほうが、労働者側に有利だからです。

会社側(企業側)としては、短ければ短いほどいいのはやまやまですが「不誠実団交」といわれないよう、2時間程度の時間を区切ることが一般的です。

団体交渉の次回の決め方

団体交渉は、1回で終わることはあまりありません。何度かの話し合いを繰り返して、労働問題の解決を目指すものです。

団体交渉の、次回日程の決め方には、次のような例があります。

  • 前回の団体交渉の終了時に、双方のスケジュールを調整して次回日程を決める。
  • 団体交渉の合間に、ファックス、電話などによって次回日程を決める。

団体交渉の参加者(出席者)

団体交渉の参加者(出席者)について、労働組合法をはじめとした法律には、決まりはありません。

そのため、団体交渉の参加者(出席者)についても、労使双方の話し合いで、団体交渉がはじまる前に決めておきます。

労働組合(合同労組・ユニオンなど)は、団体交渉に、社長(代表者)が出席することを要求してきますが、したがう方がよいかはケースによります。

必ずしも、社長が参加しなければならないのではないですが、権限が全くない参加者ばかりですと「団交拒否」となるおそれがあります。

団体交渉の参加者(出席者)について、どのような配慮をすると会社側(企業側)の有利に団体交渉を進めることができるかについては、次の解説を参考にしてください。

参 考
団体交渉の参加者は?社長が参加すべき?について、こちらをご覧ください。

団体交渉のルールは、当事者同士が話し合いながら決めていくものです。団体交渉の参加者を決定するにあたっては、会社が不利になることのないよう、戦略的に検討しましょう。

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団体交渉の労働組合側の参加者が多すぎて収集がつかなくならないよう、人数についても事前に決めておくとよいでしょう。

団体交渉を録音するかどうか

団体交渉の内容を証拠に残すために、団体交渉を録音することがあります。

この場合、そもそも団体交渉を録音するかどうか、録音するとして、録音を労働者側、使用者側のいずれが行うかを決めておきましょう。

団体交渉の議事録を作成するかどうか

団体交渉の内容を証拠に残すために、団体交渉の議事録を作成することがあります。

この場合、そもそも団体交渉の議事録を作成するか、作成するとして、議事録を労働者側、使用者側のいずれが行うかを決めておきましょう。

注意ポイント

労働組合(合同労組・ユニオンなど)が、自分たちが作成した団体交渉の議事録に、署名をするよう求めてくることがあります。

団体交渉の内容を、一言一句間違うことなく書き起こした内容であればまだしも、労働組合が自分の考えにしたがってまとめた議事録に署名をすることはお勧めできません。

労働組合が提示して、署名を求める書面は、その後に「労働協約」と評価され、非常に強い効力を持つことがあるからです。

団体交渉の事前準備は、弁護士にお任せください

いかがでしたでしょうか。

ここまでお読みいただければ、「労働組合から申し入れられた団体交渉を行う前に、決めておかなければならないこと」について、ご理解いただけたことでしょう。

労働組合から申し入れられた団体交渉では、「労働問題」について集中して話し合うべきで、「開催場所」、「開催時間」など、付随的な問題があらたな争点となることはお勧めできません。

労働問題の早期解決のため、団体交渉開始よりも事前に決めておけるところは、早めに、かつ、会社側(企業側)に有利な内容に決めておきましょう。

団体交渉への弁護士の参加をお考えの方は、ぜひ、弁護士法人浅野総合法律事務所まで法律相談ください。

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弁護士法人浅野総合法律事務所(東京都中央区)では、労働問題と企業法務しています。 会社で、常日頃から問題となる労働問題と企業法務に特化することで、会社を経営する社長、人事労務の担当者の目線に立って、親 ...

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