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労働審判で「解雇」を争われた会社が検討すべき、解決金の相場

更新日:

労働審判で、会社側(企業側)の行った「解雇」が、「不当解雇」であるとして争いとなってしまったとき、適切な対応が必要です。

「解雇」を甘く考え、あまり準備もなく性急に「解雇」してしまった上に、労働審判にも誠実に応じかねれば、次のような会社側(企業側)に不利な結論が待っています。

よくある法律相談

「解雇無効」という労働審判となり、問題社員だと思っていたのに復職することとなってしまった。
「解雇無効」だけれども退職をしてもらう代償として、多額の解決金を支払うことになった。
労働審判のあと訴訟となり、労働問題が長期化した。

このような相談が、会社側(企業側)から多く寄せられています。

労働審判で会社側がきちんと対応をした場合には、「簡易迅速、かつ、事案に応じた柔軟な解決」を目指す労働審判の趣旨から、「解決金」を支払うことによる「金銭解決」となる場合があります。

労働審判における「調停」において、会社側(企業側)が「解決金」を支払うことによって解雇トラブルを解決するとき、解決金には一定の相場観があります。

この労働審判における解決金の相場観を理解し、妥当な落としどころで労働審判を終わるためにも、今回の弁護士解説を参考にしてみてください。

「労働審判」のイチオシ解説はコチラ!

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弁護士
浅野英之
弁護士法人浅野総合法律事務所(東京都中央区)、代表弁護士の浅野です。

労働審判を、会社側(企業側)の損失をできるだけ少なく解決するためには、金銭解決で和解することも、妥当な選択しの1つです。

労働者側の求める解決金があまりに高額である場合はさておき、問題社員と持っていた人物が復職して戻ってくるよりも、デメリットが少ないためです。

解雇トラブルを金銭解決する方法とは?

労働者側が、「解雇」を、違法、不当であると主張して争うとき、次のような「本音」と「建て前」を使い分けていることがあります。

  • 建前「解雇は不当であるから、撤回して復職する権利がある。」
  • 本音「解雇トラブルの生じた会社に復職はしたくないから、お金をもらって辞めたい。」

ひとたび行った「解雇」を、無効であるとして争われてしまった会社側としても、次のとおり、徹底的に争うことには、メリットとデメリットがあります。

  • メリット「解雇が有効であると認められれば、お金を払う必要がなく、問題社員も戻ってこない。」
  • デメリット「解雇トラブルの争いが長く続いた結果、解雇が無効であると判断されれば、問題社員が戻ってくる上に、それまでの賃金を支払わなければならない。」

このような労使間のせめぎ合いから、「会社が労働者に対して、一定の解決金を支払うこと」と引き換えに、「退職する」という、労使間での気持ちに争いのない点については合意する、という解決がとられます。

これが、労働審判における「調停」で、「解決金」による金銭和解が成立する理由です。

注意ポイント

労働審判における「調停」の話し合いは、あくまでも「話し合い」であることから、相手方の合意が必要です。

今回解説する相場観は、あくまでも、多くの労働審判を経験してきた弁護士が、「この程度で折り合いをつけるのが妥当だ。」と感じる基準であって、労働者の要求が過大な場合には、和解は成立しません。

解雇トラブルを労働審判で解決するとき、「解決金」の目安は?

労働審判において、解雇トラブルを争うときに、解決金の相場は、裁判所(労働審判委員会)の心証によって大きくことなります。

裁判所(労働審判委員会)の心証こそが、不当解雇の解決金の相場に影響を与える、もっとも大きな事情といってよいでしょう。

  • 「解雇有効の心証」に近づくほど、解決金は低くなる傾向にあります。
  • 「解雇無効の心証」に近づくほど、解決金は高くなる傾向にあります。

そのため、「最終的には、解決金によって金銭解決するのだ。」という結論がわかっていたとしても、会社は「解雇有効」、労働者は「解雇無効」を、主張立証しなければなりません。

裁判所(労働審判委員会)の心証が、「解雇」の労働審判における「調停」の解決金に与える影響と、解決金の相場の目安は、次のとおりです。

「解雇無効」の心証が与える影響は?解決金の相場は?

「解雇が無効」との心証を、裁判所(労働審判委員会)が抱いた場合には、労働審判における解決金の相場は、高くなることを覚悟しなければなりません。

「解雇は無効」とはっきりと伝えられるケースでは、金銭解決とする場合、「給与の1年分」程度を覚悟したほうがよいでしょう。

解雇をするほど問題社員にもかかわらず、1年分もの給与を支払うことは納得いかないでしょうが、「解雇が無効」で金銭解決を突っぱねると、労働者は復職してしまいます。

また、労働審判に異議申し立てをすると、その後は訴訟で争うことになりますが、労働訴訟は一般的に1年程度はかかるため、その結果、解雇が無効となれば、1年分程度の賃金を支払わざるを得ません。

ポイント

解雇は、十分な準備をして臨まなければ、「解雇権濫用法理」によって無効といわれるリスクの高い処分です。

労働審判で「解雇が無効」という心証を、裁判所(労働審判委員会)から開示されたときは、これに対して争って、訴訟で更に争うかは、「訴訟になった勝訴できるか」を慎重に検討する必要があります。

訴訟になっても「解雇が無効」との心証が変わらないと、「問題社員の復職」に加えて、「解雇期間中(=訴訟期間中)の賃金」を支払わなければなりません。

「解雇有効」の心証が与える影響は?解決金の相場は?

「解雇が有効」との心証を、労働審判委員会(裁判所)が抱いた場合には、「解雇」の労働審判における解決金は、低い、もしくは、ゼロになります。

「解雇が有効」であれば、解決金の相場は、目安としては、月額給与の1か月~3か月分程度と考えてよいでしょう。

「解雇が有効」という心証であっても、完璧な解雇ということはなく労働訴訟となって労働問題が長期化するくらいであれば、多少の解決金を払うことにメリットがある、というケースも少なくありません。

「解雇が有効」という心証であるにもかかわらず、解決金を低額であっても支払うかどうかは、その後、労働者が異議申し立てをして訴訟で争うコストと比較して判断するとよいでしょう。

労働審判で解決金が決まるプロセス

解雇をして、労働者から労働審判を申し立てられてしまった会社としては、解決金が決まるまでのプロセスを知ることで、より有利に労働審判を進めることができます。

さきほど解説したとおり、最終的な解決が「金銭解決」になるとしても、労働審判は、労使双方の事情聴取からはじめます。

結果的に、低額の解決金、もしくは、解決金なしでの解決につながるためには、労働審判の中で、適切な解決金交渉を進めていく必要があるからです。

第1回期日の対応

解雇トラブルを争う労働審判において、合意退職を前提として解決金による金銭解決となる場合であっても、第1回期日にやるべきことは変わりません。

つまり、まずは労働審判の第1回期日で、労使双方の事情聴取をし、裁判所(労働審判委員会)の事実認定を行います。

第1回期日までに提出された主張書面、証拠と、第1回期日で聴取できる事実しか、裁判所(労働審判委員会)の事実認定の参考とはならないことが一般的です。

「解雇有効」の心証を勝ち取ることが、解決金を引き下げるもっとも大きな要素であることを理解し、第1回期日の準備を入念に行ってください。

第1回期日以降の解決金交渉

第1回期日の後半から、第2回、第3回期日にかけては、裁判所(労働審判委員会)が認定した事実を踏まえて、心証開示がされたり、情報交換をしたりしながら、解決金の交渉を行います。

労働審判の解決金を決めたり、和解による解決を目指したりするこの手続きを「調停」といいます。

「調停」は、「話し合い」であり、労働法の専門的な知識はもちろんですが、労働審判における駆け引きのノウハウが必要となるケースもあります。

有利な和解へと進めるためのポイントは、少なくとも、裁判所(労働審判委員会)の発言をよく聞き、どのような心証であるか、どのような方針であるかを読み取ることにあります。

労働審判の解決金を、できるだけ低く抑えるポイント

労働審判において、解決金をできるだけ低くおさえるポイントは、裁判所(労働審判委員会)の心証次第ということですね。

まずは、労働審判を申し立てられた直後の準備を、徹底的に努力するのがよいですね。

裁判所(労働審判委員会)の心証が、会社側(企業側)にとって有利なものであれば、解決金をとても低くするか、もしくは、ゼロにすることができます。

では、最後に、これ以外にも、解決金をできるだけ下げるためのポイントについて、解説していきます。

妥協するかどうかの判断は?

裁判所(労働審判委員会)の心証が、明らかに会社に有利なものである場合には、安易な妥協は禁物です。

特に、労働者側が、「解雇無効」の主張に固執して、強硬な態度で交渉をしている場合には、会社側(企業側)が弱腰だと、裁判所(労働審判委員会)も「会社に譲歩してもらおう。」と考えるかもしれません。

「解雇有効」に近い心証であっても、調停を成立するために、相当高額な解決金を提案されることもあります。譲歩すべきではないでしょう。

注意ポイント

会社側(企業側)に有利な心証であるにもかかわらず、調停成立のために会社側(企業側)が譲歩した方がよいかどうかは、事案によります。

調停が成立せずに、労働審判では解決せず、労働者側が異議申し立てをして労働訴訟になったときのことを想定し、「解決金を支払うことに経済的合理性があるかどうか。」を検討してください。

経済的合理性のある和解かどうか?

会社側(企業側)に不利な心証を、裁判所(労働審判委員会)が抱いていることがわかった場合には、早期に解決金支払を提案するのが良い場合が多いです。

会社側(企業側)が不誠実な態度を示せば、より不利な判断が下るおそれもあるからです。

特に、負け筋の場合、つまり、「解雇が無効」という、会社に不利な心証を開示されてしまったときは、できる限り合理的な解決金の支払によって、一刻も早く紛争を終結させるべきでしょう。

ポイント

裁判所(労働審判委員会)から提示された和解案が、合理的な和解案であるかどうかは、この労働問題だけでなく、他への波及効果も考えなければなりません。

労働問題が長期化し、他の社員の知るところとなった場合に、他の社員からも労働審判の申立てが予想される場合には、早期解決が、会社側(企業側)にとって合理的なことがあります。

裁判所(労働審判委員会)に嫌われない

労働審判委員会の心証にかかわらず、会社があまりに強硬な姿勢を貫徹しすぎると、労働審判員会の事実上の心証を害する可能性があります。

さきほど解説したとおり、会社側に有利な心証であれば、強気の姿勢でよいわけですが、この先に異議申し立て、訴訟という可能性がある場合、円満解決のための合意には、一定の合理性があります。

会社側(企業側)としても、譲歩が要求されるわけではないものの、裁判所(労働審判委員会)からの提案への配慮はしておくべきかと思います。

注意ポイント

特に、裁判所において、声を荒げる、机をたたく、といった態度を見せることは、「パワハラ気質のワンマン社長」というイメージを抱かせるおそれがあります。

裁判所(労働審判委員会)としても、労働審判の場合には事実認定の材料が少なく、労働審判の席上における態度、発言も、重要な心証形成の資料となります。

「解雇」を争う労働審判は、弁護士にお任せください

いかがでしたでしょうか。

今回は、労働審判において「解雇」の不当性を争われてしまった会社側(企業側)が理解しておくべき、金銭解決の際の「解決金の相場」について解説しました。

一般的に、「解雇」は厳しく制限されており、安易な解雇は、違法、無効な「不当解雇」といわれやすいといえます。

金銭解決は、会社側(企業側)にとっても合理性のある、メリットのある解決です。高額の解決金とならないよう、しっかり解決金交渉を進めてください。

弁護士法人浅野総合法律事務所では、「解雇」を争う労働審判に同席し、解決金の交渉を行った経験、実績が数多くございます。

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まとめ

企業の労働問題解決ナビをご覧いただき、ありがとうございます。

この解説をご覧いただければ、「解雇」を争う労働審判における解決金について、次のポイントをご理解いただけます。

解説まとめ

  • 解雇トラブルの労働審判を、解決金によって金銭解決する理由(メリット)
  • 解雇トラブルの労働審判で、解決金を決定するプロセス
  • 解雇トラブルの労働審判で、解決金を、会社側(企業側)に有利な低額とする交渉方法

労働審判における解決金には、一定の相場観があるものの、労働法の知識、労働分野の裁判例などに照らした、裁判所(労働審判委員会)の心証が決定的に重要となります。

労働審判の席上で、「解雇」の解決金を提案され、最終的な決定を迫られたとき、当事務所は、労働審判の豊富な解決実績に照らして、くわしくアドバイスを差し上げることができます。

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