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「解雇」の労働審判で、会社側の答弁書の書き方とポイント

更新日:

労働審判で、労働者から、「解雇が不当である。」として争われた場合、会社が提出すべき答弁書の書き方とポイントについて解説します。

労働審判では、審理期間に制限があることから、答弁書の記載がとても重要視されます。このことは、解雇トラブルを争う労働審判にもあてはまります。

よくある法律相談


解雇トラブルの労働審判における、答弁書の書式(雛形・文例)がほしい。
解雇トラブルの労働審判で、答弁書に特に書いておかなければならないポイントはどのようなものか。
解雇トラブルの答弁書について、作成・提出を弁護士にお任せしたい。

解雇トラブルで、「不当解雇かどうか。」を会社側(企業側)が争う場合には、解雇の正当性を基礎づける事実を、会社側(企業側)が主張立証する必要がありますが、すべてを労働審判期日にお話するのは不可能です。

また、時系列で整理された答弁書もなく、事実をお話したとしても、一度聞いただけで労働審判委員会に理解してもらうことは不可能でしょう。

参 考
労働審判における答弁書の書き方の基本ポイントは、こちらをご覧ください。

会社側が労働審判で争うにあたって、適切な答弁書を作成、提出するために注意すべきポイントを解説します。労働審判への対応にお悩みの会社様は、企業の労働問題に強い弁護士へご相談ください。

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企業の労働問題解決ナビを運営している「弁護士法人浅野総合法律事務所」では、「解雇トラブル」を争う労働審判を解決してきた実績が、豊富にございます。

弁護士
浅野英之
弁護士法人浅野総合法律事務所(東京都中央区)、代表弁護士の浅野です。

労働審判で「不当解雇」が無効であるとの請求を受けてしまったとき、答弁書をどのように書いてよいか、どのようなポイントに注意すべきか、お悩みでしょう。

解雇トラブルは、労使の感情が対立しやすく、期日が紛糾しやすいです。あらかじめ期日前に、わかりやすい答弁書で、労働審判委員会を説得しておきましょう。

「解雇トラブル」の答弁書に記載すべき「事実の認否」

「解雇トラブルの労働審判」とひとことでいっても、その労働審判で争われる労働問題の内容は、「解雇理由」によって大きく異なります。

会社側(企業側)が「解雇トラブル」の答弁書に記載すべき「事実の認否」を考えるにあたっても、労働審判申立書に、どのような解雇理由が指摘されており、どのような事実がその基礎づけとなっているかを検討します。

今回の解説では、次の章から、「解雇理由」ごとに、注目すべき事実と、会社側(企業側)が答弁書に書いておく「事実の認否」を解説します。

解雇トラブルの労働審判の答弁書であっても、答弁書の基本として「労働審判委員会に理解してもらいやすいように、会社側(企業側)の主張を記載する」、というポイントは変わりません。

「能力不足」が解雇理由の労働審判の答弁書

「能力不足」を理由にした解雇とは、「普通解雇」です。

解雇理由を「能力不足」とする場合、「労働者に、雇用契約で約束した程度の能力がないこと」を証明しなければなりません。この主張を、「具体的に」基礎づける「事実」が、会社側(企業側)が答弁書に書くべき事実です。

この場合に、会社側(企業側)が主張、立証しなければならない事実関係は、次の2点です。

ポイント

  • 雇用契約の内容となる能力の具体的内容
  • その能力が解雇された労働者に不足していたことを示す事実

特に、「能力が不足していたこと」を示すためには、答弁書で、抽象的に「労働者の能力が不足している」と記載するだけでは足りません。

労働審判委員会に、問題社員がいかに問題かを理解してもらうためにも、具体的なエピソードを交えて、労働者の能力不足を詳細に答弁書に記載します。

もっとくわしく!

答弁書に、問題社員の問題点を指摘するときには、誰にでもわかる客観的な指摘が必要です。

成績、業績といった具体的な数値を記載したり、客先からのクレームや上司からの注意指導の履歴など、問題点が「客観的に」わかる書類を証拠提出したりすることを検討しましょう。

「勤務態度」が解雇理由の労働審判の答弁書

「勤務態度」が不良であることを解雇理由とする解雇とは、「普通解雇」です。

解雇理由が「勤務態度」の不良である場合であっても、具体的な事実を答弁書に記載することが重要であるという点は、能力不足による解雇の答弁書と同じです。

「勤務態度」は、会社側(企業側)の主観が大きく反映されます。具体的な数値によって説明することが難しい「勤務態度」の悪さを、労働審判委員会にわかりやすく説明するのは、とても困難です。

「勤務態度」の不良を解雇理由とするとき、労働審判の答弁書では、「勤務態度」の不良を示す事実を、数多く列挙していくことになります。

特に重要となるのは、会社側(企業側)から問題社員に対する「注意指導」の事実を答弁書に記載することです。

「勤務態度」はわかりにくいですが、注意指導をしたり面談をしたり、懲戒処分を繰り返し行っても改善されないという「事実」を答弁書に記載すれば、誰の目からも明らかです。

「整理解雇」が解雇理由の労働審判の答弁書

「整理解雇」とは、会社の経営的な事情を解雇理由とする解雇のことです。

「整理解雇」の有効性は、整理解雇の4要件(業務上の必要性、解雇回避の努力義務、人選の合理性、手続きの適切さ)という基準で判断されるので、この要件にあてはまる具体的な事実を、労働審判の答弁書に記載してください。

特に、「整理解雇」の答弁書では、「会社の経営状況から解雇は避けがたい」という事実を、具体的な経営上の数字で説明をすることで、労働審判委員会に、会社の状況を伝えることができます。

注意ポイント

労働審判では、主張と立証は、第1回期日が終わるまでに行わなうのが原則で、出し惜しみは禁物です。

経営上の資料を提出し、数値を示すことに抵抗のある会社も多いですが、具体的な数値がなく、ただ「経営が苦しい。」と主張するだけでは、理解してもらえないでしょう。

次善の策として、経営上の資料は、労働審判委員会に限り、事実上お見せする、という方法をとることもあります。

ただ、会社の会計資料が複雑で、読み解きが困難な場合も多く、事前に証拠提出して、十分に検討してもらった方が、労働審判の結果に反映してもらいやすくなります。

「解雇トラブル」の答弁書に記載すべき「法的な主張」

「解雇トラブル」の答弁書では、ここまでに解説してきた「具体的事実」をふまえて、「法的な主張」を書きます。

解雇についての法的主張を答弁書に書く際には、「解雇権濫用法理」の考え方を理解しなければなりません。

「解雇権濫用法理」は、簡単にいうと、解雇を制限するルールです。具体的には、「合理的な理由」と「社会的相当性」の認められる解雇でなければ、「不当解雇」として無効になってしまうというルールです。

安易な解雇が、無効な「不当解雇」と評価されるおそれを踏まえ、過去の裁判例を踏まえた、裁判所(労働審判委員会)にも認めてもらえる適切な「法的な主張」を答弁書に記載しましょう。

もっと詳しく!

会社側(企業側)で労働審判に対応するとき、必ずしも勝ち負けが決まるばかりが良い解決であるとは限りません。

会社の言い分を最大限主張して、労働審判委員会に会社の立場を理解してもらうことは重要ですが、労働者に一方的に有利な解決となることを防ぐことも重要です。

早期の和解(調停)による解決を実現するために、答弁書にあらかじめ、「和解をする意思があること」と、その場合の条件などについて書くこともあります。

解雇トラブルの労働審判は、弁護士におまかせください

いかがでしたでしょうか?

労働審判のうちでも、特に「解雇トラブル」を争うとき、労働審判の答弁書を準備する期間は、非常に短いものです。

「解雇」をしたのは、過去の事実ですので、その理由となる「解雇理由」を、労働審判が申し立てられたことを知ってから、あわてて準備して答弁書を作成する、というのでは、労働審判の結果は会社にとって不利なものとなるでしょう。

会社側(企業側)で、労働者を解雇するときには、十分にくわしい記述を答弁書にできる程度の解雇理由は、解雇時に用意し、十分考えておかなければなりません。

いざ、解雇トラブルとなり、労働審判になってしまったときは、ぜひ、その対応を企業側の労働審判を得意とする弁護士にお任せください。

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弁護士法人浅野総合法律事務所(東京都中央区)では、労働問題と企業法務しています。 会社で、常日頃から問題となる労働問題と企業法務に特化することで、会社を経営する社長、人事労務の担当者の目線に立って、親 ...

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まとめ

いかがでしたでしょうか。

今回は、労働審判で「解雇の有効性」が争われたときに、会社側(企業側)が理解しておくべき、答弁書の書き方とポイントについて、弁護士が解説しました。

この解説をご覧いただければ、次のことをご理解いただけます。

解説まとめ

  • 「解雇トラブル」の労働審判の答弁書に記載すべき「事実の認否」のポイント
  • 「解雇トラブル」の労働審判の答弁書に記載すべき「法的な主張」のポイント
  • 「解雇トラブル」の労働審判を会社側(企業側)有利に進めるための答弁書の記載方法

解雇をする場合には、解雇理由とそれを基礎づけるに十分な証拠を準備し、ある程度、解雇が有効と判断されることを見越して解雇に踏み切るのが適切です。

労働審判になって初めて慌てることのないよう、労働審判に対する対応にお悩みの会社様は、企業の労働問題に強い弁護士法律相談ください。

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