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解雇したら労働組合(合同労組)に加入され…│団体交渉の解決事例

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労働組合(合同労組・ユニオンなど)から申し入れられた団体交渉について、労働組合対応を得意とする弁護士のサポートを受けて解決した事例を、具体的に紹介します。

団体交渉にお悩みの会社は、団体交渉・労働組合対応の解決までの道のりを具体的にイメージしていただきやすくなります。

当事務所の弁護士は、法律上の「守秘義務」を負っています。紹介する解決事例は、会社名などが特定できないよう、具体的な事実を適宜修正しています。

ご相談内容

1か月前に解雇をした元社員から、突然、「合同労組に加入したので、団体交渉をしたい」と通告を受けました。

「団体交渉申入書」というFAXが送られてきたので見てみると、「解雇は『不当解雇』なので無効である」という主張とともに、残業代が未払いになっているので支払うように、という要求が書かれていました。

事案の概要

ご相談を受けた会社(Y社)は、東京都渋谷区にある、創業30年、社員数10名の広告会社でした。

今回、労働組合からの団体交渉で問題となっているのは、入社5年目の営業社員(X)を「解雇」したことについてです。

Y社は、Xの勤続年数が長くなってきたので、信頼して1人で外回り営業を任せていました。しかし、Xが、取引先に営業にいくことを口実に、業務を行わず、自宅に帰っていたことが、GPS調査で判明しました。

Y社の社長は、すぐにXを会議室に呼び出して、話を聞こうとしましたが、Xは反省する素振りもなく、むしろ、「営業成果はきちんとあがっているはずだ。」と開き直る始末でした。

そこで、Y社は、役員で話し合い、やる気のないXをすぐに「解雇」扱いとすることを決め、翌日、社長自らXに電話をして、「解雇」をXに伝えました。

Xは、自分が「解雇」となることを予想していたようで、会社にたいする悪口、罵詈雑言を電話口で社長に発言し、一方的に電話を切りました。

Y社の社長としては、非常に不愉快な気分だったものの、X自ら、会社にたいする悪口をいう始末ですから、この「解雇」で、Xという問題社員の対応は終了だ、と胸をなでおろしました。

しかし、会社側(企業側)としては終了のつもりが、これでは終わりませんでした。1か月後、Xの加入した労働組合から、「団体交渉申入書」が届きました。

団体交渉における労働組合の要求事項

さきほどご紹介したY社の受領した「団体交渉申入書」によれば、Xの加入した労働組合からの要求事項は、次のようなものでした。

ポイント

  • 「不当解雇」の撤回
  • 2年間相当分の未払残業代(約700万円)の請求
  • 社長(代表者)の対面による謝罪

団体交渉による解決

今回のケースでは、労働組合からの団体交渉申入書の要求は、非常に高額となります。「解雇」が有効かどうかはともかく、会社としても、復職は考えられないところでしょう。

労働組合からの要求が、到底受け入れられないものであっても、まずは団体交渉に応じて、話し合いを進めるのが、今回のケースでは正しい対応です。

団体交渉前の準備

第1回の団体交渉前に、まずは事前準備が肝要です。

今回の労働組合との団体交渉のケースでは、Xの「解雇の有効性」が問題となることが明らかでした。そこで、会社側が保管しているXの資料や、Xの問題行為をあらわす資料を、事前に検討しておく必要があります。

加えて、残業代請求をされていますが、会社側は、「外回り営業マンの残業代」について、全く考えたことがなかったとのことでした。就業規則の修正など、必要な対応をして、労働組合に対して、是正の意思を示す必要があります。

参 考
第1回の団体交渉前に行うべき「事前準備」の基本は、こちらをご覧ください。

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第1回の団体交渉

初回の団体交渉では、まずは、労働組合の要求の確認からはじまります。

初回の団体交渉では、社長(代表者)は参加しませんでした。労働組合からは、「対面の謝罪」を要求することと、社長(代表者)が、次回は必ず出席するよう約束してほしいとの要求が強くおこなわれました。

「社長(代表者)が次回出席しないなら、会社の前で街宣活動を行う」という発言もありました。

これに対して、労働組合と実際に話し合いをしてみると、「復職」の意向は、それほど強くないと感じました。

第2回の団体交渉

第2回の団体交渉には、社長(代表者)が出席しました。残業代請求について、一定程度の残業代が未払いであることを認め、会社の労働時間管理の不足については、認める発言をしました。

金銭要求については、第3回までに、会社側(企業側)で、再度、労働基準法にしたがった残業代の計算をしなおすことで合意しました。

参 考
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第3回の団体交渉

第3回の団体交渉の前に、会社側(企業側)で、再度、残業代を計算しなおしました。GPSから判断して、あきらかにXが仕事をしていない部分が多く、これを除いて正しく計算ですると、約150万円程度が適切でした。

今回のケースでは、労働審判、訴訟となっても、この金額は下回らない可能性が高いと考えられました。

第3回の団体交渉で、「復職をこれ以上求めない」ことを条件に、Y社からXに対して、150万円を支払うという和解案を提示し、労働組合側で検討してもらうこととなりました。

労働問題の解決の内容

その後、労働組合から、弁護士に直接連絡がきて、労働者X、会社Y社の当事者をのぞいて、労働組合と弁護士が、直接「事務折衝」をすることとなりました。

その結果、和解書の細かい文言を調整して、次の内容で、労働問題を解決しました。

ポイント

  • Y社は、Xの解雇を撤回し、解雇と同日に、XとY社の合意で退職したこととする。
  • Y社は、Xに対して、解決金として150万円を支払う。
  • Y社は、営業マンの残業代について、今後、労基法を守った制度にあらためる。
  • Y社もXも、無関係の第三者に、団体交渉や和解内容について漏らさない。
  • 和解書に記載されたもの以外の要求は、今後は行わない。

担当した弁護士の解説

今回は、「不当解雇」の主張が、団体交渉で争われたことで、いままでは適当に処理されていた「残業代未払」の請求も発生してしまいました。

しかし、「残業代未払」は、労働基準法で当然改善すべきことですから、労働組合からの団体交渉が起こらなくても、対策は当然です。特に、営業マンの残業代に無配慮な会社は注意が必要です。

「不当解雇」の撤回についての労働者側の意向が、それほど強固ではなかったことが、「金銭解決」に導けた重要なポイントです。

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弁護士法人浅野総合法律事務所(東京都中央区)では、労働問題と企業法務しています。 会社で、常日頃から問題となる労働問題と企業法務に特化することで、会社を経営する社長、人事労務の担当者の目線に立って、親 ...

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