労働法務ニュース

厚生労働省は、1か月の残業が「80時間を超える残業をする労働者が1人でもいる場合」には、労働基準監督署の立ち入り調査をすると発表しました。

過重労働撲滅特別対策班(通称「かとく」)の設置と並び、ますます長時間労働に対する規制を厳しくする風潮が進んでいますので、御社でも長時間労働が常態化している場合には注意が必要です。

労働基準監督署の立ち入り調査の基準を変更

厚生労働省の発表は、これまでの労働基準監督署の立ち入り調査の基準を大幅に厳格化するもので、この基準厳格化によって立ち入り調査の対象となる企業は格段に増加するのではないでしょうか。

変更前:1か月の残業が100時間に達した場合
変更後:80時間を超える残業をしている従業員が1人でもいた場合

とはいえ、残業時間を正確に把握して残業代を支払うという適切な労務管理がそもそもできていない企業もあるかと思いますので、今後ますます労働基準監督署による規制は厳しくなります。

労基署の労働基準監督官は、警察と同様の「司法警察員」としての権限を有しており、割増賃金未払い等の一定の労基法違反については刑事罰による制裁があります。

残業時間80時間が一つの目安となって、超過する長時間労働に対する調査、制裁が厳格となるとのことですが、これはあくまでも労働時間管理が適切に行われているケースの話です。

実労働時間をそもそも管理、把握していなかったり、実際の労働時間よりも少なく見積もって残業代が支払われていたりする場合、より不適切かつ違法性が強いといえます。

過重労働撲滅特別対策班(通称「かとく」)について

「過重労働撲滅特別対策班」は、特に過酷な労働条件な会社の多い東京、大阪に設置された、企業の労働環境の中でも特に長時間労働を監督する機関です。

過重労働撲滅特別対策班の送検した会社の中には、ドン・キホーテ、ABCマート等の有名会社がありました。

また、労基署の労働基準監督官の人数も年々増加しています。

潜在的債務は莫大

長時間労働の歯止めが80時間と示されたわけですが、以前から「80時間」という基準は、過労死に関する厚生労働省の発表する指針等で目安の数字とされていました。

したがって、今後、80時間を超えて働かせている事業所では、むしろ80時間を超えないように偽装するという別の違法行為が行われる可能性もありますが、そちらも発覚すれば大問題となります。

労働時間の把握、管理の適切な方法については、こちらの記事をご覧ください。

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