最新の法律改正

雇用保険法の改正について、平成28年3月29日、参議院本会議における賛成多数で、雇用保険法、育児・介護休業法の改正案が可決されました。一部は平成28年4月1日から施行されるため、施行直前の改正となります。

平成28年3月31日に行われる労働政策審議会雇用保険部会での審議を経て、平成28年度の雇用保険料率の引き下げが決定されます。

雇用保険料率の引下げ

平成26年度から平成27年度への移行では、雇用保険料率は維持されたところ、平成28年度は、一部の雇用保険料率が引き下げられることとなります。具体的には、平成28年4月1日より、失業等給付の雇用保険料率が、現行の10/1000から8/1000へと引き下げられることとなります。

この保険料率切下げは、現在の雇用情勢と、雇用保険の財政状況を理由とするものです。

雇用保険料率の切下げに関する改正は、平成28年4月1日施行となります。

参考に、厚労省発表資料の、平成27年雇用保険料率と平成28年雇用保険料率の比較表を引用します。

雇用保険料率平成28年度

このように、決定された雇用保険料率は厚生労働省ホームページにて適時に開示されていますので、参考にしてみてください。

雇用保険料率以外の切下げ改正

介護休業給付の給付率引上げ

現行  : 賃金の40%
改正後 : 賃金の67%

介護休業給付率の引上げに関する改正は、平成28年8月1日施行となります。

65歳以降の雇用保険

現行  : 適用対象外
改正後 : 65歳移行に新たに雇用される者を雇用保険の適用対象とする。

65歳以上への雇用保険対象拡大に関する改正は、平成29年1月1日施行となります。

再就職手当給付率の引上げ

支給日数1/3以上を残した場合
現行  : 残日数の50%
改正後 : 残日数の60%

支給日数2/3以上を残した場合
現行  : 残日数の60%
改正後 : 残日数の70%]

再就職手当給付率の引上げに関する改正は、平成29年1月1日施行となります。

また、求職活動支援費の給付が開始されるという改正も合わせてなされました。

育児・介護に関するその他の改正

多様な家族形態・雇用形態への対応を目的とする改正

  • 育児休業対象となる「子」の範囲を、特別養子縁組の監護期間にある子も対象とする拡大
  • 育児休業対象となる有期契約労働者の要件緩和

介護離職の防止を目的とする改正

  • 介護休業の分割取得制度の導入
  •   ただし、3回まで、合計93日とします。

  • 介護休業の半日単位取得制度の導入
  • 所定外労働を免除する制度の導入
介護離職予防を目指した以上の改正は、平成29年1月1日施行となります。

高齢者の多様性確保に関する改正

シルバー人材センターにおける一定の業務について、週40時間まで働くことができるよう改正されます。

労働力人口が減少する中で、高齢者、女性等、これまで十分に活用されてこなかった労働力の効率的な活用が目指されます。

高齢者の多様性、雇用機会確保を目的とした以上の改正は、平成28年4月1日施行となります。

妊婦の保護に関する改正

妊娠した女性労働者に対して事業主に雇用管理上必要な一定の措置を義務付ける改正がなされます。

これは、マタハラ違法判決を受けた政府のマタハラ対策の一環といえます。マタハラについては、平成28年にもまた新しい裁判例が追加されていますので、こちらの記事をご覧ください。

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