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労働審判の基礎知識

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労働審判への適切な対応の概要

労働審判手続は、平成18年4月1日から始まりました。

労働審判手続の目的は、次のように定められています。

解雇や給料の不払など、事業主と個々の労働者との間の労働関係に関するトラブルを、そのトラブルの実情に即し、迅速、適正かつ実効的に解決することを目的としています。

労働審判は、簡易かつ迅速に、実情に合った適切な解決を得られるため、労働者側の救済を目的として多用される傾向にあることから、企業側の労働法務を担当するにあたってもご相談が非常に多い手続となります。

今回は、いざ労働審判を申し立てられた場合の手続きの流れを解説します。

労働審判への対応にお悩みの会社様は、企業の労働問題に強い弁護士へご相談ください。

労働審判の参加者

労働審判手続では、労働審判官(裁判官)1名と、労働関係に専門的な知見を有する労使双方の専門家(労働審判員)2名(労使各1名)の3名からなる労働審判委員会という組織体で審理、判断がなされます。

原則として3回の期日(平均審理期間70日程度)で終了する上、事実関係の確認は、第1回目の期日ですべて終了させることが一般的とされていますので、労使双方の代理人弁護士に加えて、本人(会社の場合は担当者など事実関係をよく知る方)の出席が必須となります。

「迅速性」という点はメリットでもありますが、第1回目の期日に、主張、立証の準備が十分でなかったことによって、即座に不利な結論が確定してしまうおそれのある手続といえます。

労働審判手続の流れ

労働審判委員は、第1回目の期日で事実関係を確認、審理し、その後、適宜調停を行うことによって和解での早期円満な解決を目指します。

和解によって解決しない場合には「労働審判」という一定の判断を下すことができ、これに対して労使いずれかの当事者から異議申立がある場合には、労働審判は効力を失い、審理は訴訟に移行することとなります。

Flowchart (1)

労働審判を申し立てられた会社側の適切な対応

労働審判を会社側で対応する場合、労働者側が申立の時期、タイミングを主導的に決定できることから、「会社の業務が繁忙期である。」「決算時期である。」といった会社側の都合は全く考慮されません。したがって、労働審判を申し立てられた会社は、大至急準備を進めなければなりません。

労働問題を得意とする弁護士の選任

会社側では、裁判所から従業員の作成した「労働審判申立書」が送達されてきたことにより、初めて労働審判が申し立てられたことを知ります。

労働審判が申し立てられた場合、放置しておくと欠席のまま「労働審判」という重要な判断が確定してしまうため、必ず対応しなければなりません。

労働審判申立書の内容の中でも、特に次の点を十分検討した上で、労働法務・企業法務を得意分野とする弁護士を探すこととなります。

  • 申立の趣旨および理由
  • 予想される争点
  • 争点に関連する重要な事実
  • 提出された証拠書類
  • 申立に至る経緯
  • 当事者間での交渉の経緯

労働審判では、特に会社側は弁護士を選任することが一般的です。

労働問題は非常に難しく、労働審判の特殊性も相まって、適切な対応を怠ると解決金が高額化するリスクが高いためです。また、労働法自体が労働者を保護するために制定されていることもあり、会社側では、労働者以上に脇を締めてかからなければなりません。

答弁書、証拠の準備

第1回期日は、労働審判申立の日から40日以内に、裁判所によって指定されます。労働審判の場合、会社側が第1回までに全ての準備を済ませなければならないため、訴訟の「30日以内」より、第1回期日までの間隔が長くなっています。

この短い期間のうちに、会社側は、まずは答弁書の準備をすることとなります。答弁書提出には締切があるため注意してください。

答弁書に記載する内容は、次の点を特に重要視し、会社にとって有利な内容の答弁書を作成するべきです。

  • 労働者が主張する事実が、客観的真実と異なる内容ではないか?
  • 法的な主張が労働法、労働関係の判例・裁判例から見て適切か

答弁書に記載した内容は、会社にとって有利にも不利にも働きます。

闇雲に記載した事実や主張が、思わぬところで会社に不利に働くことがありますから、労働問題の経験に照らした適切な取捨選択が必要となります。

補充書面などその他の書面

答弁書提出後、第1回期日までの間に、労働者側から、答弁書に対する認否、反論などを内容とする補充書面が提出されることがあります。

会社側としても、これに対して更に補充書面によって反論を行う必要性がどの程度かを、慎重に検討する必要があります。

準備時間が非常に限られていることから、中途半端な書面を提出するよりは、期日での適切な回答を行う準備を、弁護士と共に進める方がよい場合もあります。

証拠・証人の準備

労使関係においては、会社側がより多くの証拠を有していることが多く、提出すべき証拠書類は非常に多岐に渡ります。

とはいえ、労働審判は短期間で終了する簡潔な制度ですから、証拠も多く出せば出す程よいというのではなく、労働審判委員会に正しく主張が伝わるように配慮しなければなりません。

一般的に、会社側で提出すべき証拠書類としては、次の証拠が考えられます。

  • 就業規則・賃金規程・退職金規程などの会社の諸規程
  • 雇用契約書
  • 履歴書・職務経歴書などの入社に関する書類
  • 退職合意書、退職届などの退社に関する書類
  • 注意指導書、改善指導書、始末書など、労働者の問題点を示す書類
  • タイムカード、日報など実労働時間を示す証拠
  • 陳述書

証人の準備も重要です。第1回期日ですべての事実審理を完了させる可能性の高い労働審判では、最重要の証言が得られる証人(経営者、担当者、目撃者など)は第1回期日に確実に出席できるよう予定を抑えましょう。

そして、会社に不利な証言を意図せずに行ってしまわないよう、弁護士の作成したQ&Aリストを元にリハーサルを行っておくべきです。

労働審判期日における適切な対応

第1回期日への出頭

第1回期日は、前半は事実審理を、公判は調停・和解の調整を行うという流れが一般的です。

事実審理は、労働審判委員会の各委員(主に審判官)から、疑問点に関する質疑がなされ、各当事者が回答するという進行で行われます。

「大声で話した方が勝つ」「たくさん主張した方が通りやすい」というものではなく、主張した事実がかえって会社に不利な結果となることもありますので、慎重な対応が重要です。

事実審理が終わると、労働審判委員会が協議を行い、心証形成を行います。そして、暫定的な心証を元に、労使双方、もしくは、それぞれが呼ばれて労働審判委員会と協議・話し合いを行うことによって、和解による解決を目指します。この流れを「調停」とおいい、労働審判は、その制度の中に調停を組み込んだ制度です。

以上は、ごく一般的な労働審判の流れに過ぎず、事案の内容、当事者の対応、審判委員会の心証によっては、全く異なる流れとなることもあります。

例外的ケースに対する対応策は、柔軟な対応が求められ、労働審判の趣旨に照らして、有利な解決の獲得に向けて適切な田泓を行うことが必要です。この点は、労働審判を何件経験、解決した実績があるかによって弁護士の対応も大きく異なるでしょう。

第2回以降の期日

第2回以降の期日では、既に事実審理は終了し、心証形成も終了していることが多く、和解に向けた調整(調停)のみが行われることがほとんどです。

労働審判委員会の提案によって解決の可能性がある程度見込まれる場合には、労働審判委員会から調停案が出されることがあります。

調停案を拒否して審判、訴訟への移行等を考えた場合にどのような結論となるかを予想しながら、現在の調停案に同意することが合理的であるかどうかを、弁護士のアドバイスの下に検討していきます。

労働審判における解決

調停によって和解が成立する場合には、これによって解決となります。

交渉が決裂した場合には、労働審判委員会がその心証に基づいて労働審判を下します。この労働審判の内容に不服がある一方ないし双方の当事者は、異議を申し立てることによって労働審判を無効とし、訴訟に移行させることができます。

この際は、訴訟に移行した場合に結論が変更される可能性の大きさを検討しながら判断しましょう。

訴訟に移行した場合には、労働審判申立の時点で訴訟提起があったものとみなされ、労働審判申立書が訴状となりますが「訴状に代わる準備書面」という書類が労働者側から提出されるのが一般的運用です。

労働審判の注意点

労働審判は比較的新しい制度であり、専門的知識・経験の蓄積は現在も進行中の分野ですから、より慎重な対応が必要です。

原則期日は3回、事実審理1回程度

早期かつ迅速な労働者救済のための制度であることから、原則として労働審判期日は3回までしか開催されず、その上、事実審理については第1回目で完結させるのが原則です。

したがって、申立から第1回期日までの短期間の中で、行うべき主張・立証を全てそろえなければなりません。また、事実審理の時間が非常に短時間であることから、主張をわかりやすく伝えること、立証材料は全て第1回期日に提出ないし持参しなければなりません。

この点は、特に申立を受ける側である企業側にとって、準備期間が非常に短期間となるため、迅速かつ的確な準備活動が重要です。

必ずしも実体法通りの解決ではない

労働審判は、訴訟における判決とは異なり、必ずしも実体法上の権利関係に即した判断をしなければならないわけではないとされています。

例えば、「不当解雇であり、解雇は無効である」という心証を労働審判委員会が抱いたとしても、「解雇無効。復職。」という労働審判を下すのではなく、当事者が復職を望まない場合には、退職を前提とした金銭解決を前提とした労働審判を下すことが可能となるということです。

この点は、労使いずれにも有利にも不利にも働きますので、労働審判委員会の心証と、適切な落としどころを読む経験が重要です。

双方から異議申立のないまま2週間が経過すると、労働審判が確定し、これにて解決となります。

その他の労働審判の基礎知識

労働審判の解決事例

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労働審判、団体交渉、就業規則、問題社員への対応など、使用者側の労働問題は、経験とノウハウが重要な、非常に難しい法律分野です。

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