障害者職業紹介

厚生労働省の公表した「平成27年度障害者の職業紹介状況等」によれば、ハローワーク(公共職業安定所)を通じて就職に成功した障害者の数は年々増加していることがわかります。

平成27年度の障害者就職人数は、9万0191人であり、過去最高を更新しています。

障害者の就職率もまた、48.2%と上昇しており、今、障害者をどのように活用するかに、企業の関心が集まっているといってよいでしょう。

精神障害者の就職件数の増加が特に顕著

厚労省の統計によれば、次の通り、精神障害者の就職人数が、特に大幅増加しています。

  • 精神障害者  3万8396人(11.2%増)
  • 身体障害者  2万0003人(0.6%減)

平成27年4月より、障害者の法定雇用率は2.0%に引き上げられたこと、法定雇用率が未達成の企業に対する納付金の対象が拡大したことから、企業が障害者の雇用へ前向きとなっています。

そして、平成30年度からは、精神障害者が法定雇用率の算定対象となることから、ますます精神障害者の雇用が促進することが予想されます。

その背景には、障害者就労支援、教育支援を担う民間企業の努力も欠かせません。

医療・福祉分野での障害者活用

厚労省の統計によれば、次の通り、産業別の統計でみると、特に医療、福祉の分野における障害者の就職者が多いことがわかります。

  • 1位  医療・福祉   3万3805人(37.5%)
  • 2位  製造業     1万1933人(13.2%)
  • 3位  卸売り・小売業 1万1577人(12.8%)

障害者支援に民間企業も積極的

障害者の「就労移行支援事業」に取り組む企業としては、株式会社LOGZの運営するサービス「ルーツ」の躍進が目覚ましい。

同社代表の古徳一暁氏は、「障害があろうがなかろうが、その人にはその人の生き方、働き方があります。それを生かしてあげたい。」と語る。

障害がない労働者であっても、突然労働問題を引き起こすこともあれば、障害がある労働者であっても、業務内容のマッチングを意識して支援すれば、健常者以上に会社に貢献することができる場合もある。

障害者をうまく活用し、企業価値を上げるたい企業には、「ルーツ」の理念は非常に勉強になるだろう。

障害者に対する虐待

障害者に対する虐待には、次の4種類があるとされます。

  • 心理的虐待
  •    例:人格否定的な強い叱責をする、仕事ができないことを必要以上に責める

  • 経済的虐待
  •    例:障害者であることを理由に賃金を与えない、最低賃金を下回る給与しか与えない

  • 放置等による虐待
  •    例:虐待についての連絡があっても会社として適切な対応を行わない

  • 身体的虐待
  •    例:殴る、仕事が遅いと蹴とばす

特に、障害者が仕事の遅いことに腹を立てて荒々しい注意をするということになれば、心理的虐待と評価されやすくなります。

また、賃金未払いも、障害者であることを理由に行っていた場合には虐待にもあたりかねませんから、労働法に従った十分な賃金を与えているか、確認が必要でしょう。

まとめ

厚生労働省では、ますますの障害者の就職促進のため、障害者が働きやすい職場環境が重要であるとして、法定雇用率未達成企業に対し、指導と支援を行っています。

納付金の対象が拡大したことから、これまでは法定雇用率を満たしていなくても特に損は無かった会社も、今後は対応が必要となります。

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