労働審判を起こされた会社がすぐにすべき4つのこと

労働者から労働審判を起こされたとき、「労働審判申立書」という書面が裁判所から送達されてくることによって、労働問題の存在を知ることとなります。

労働審判制度は、原則として第3回期日までで終結(平均審理期間約70日)しますが、実際には第1回期日で事実審理が終了し、労働委員会の心証が決定されることがほとんどで、第2回以降の調停の席上で不利な心証を聞いてから慌てて主張立証を追加しても、逆転は困難です。

一方で、会社の下に労働審判申立書が送達されてきた頃には、答弁書の締切までもはやあまり時間がないというケースがほとんどです。

今回は、労働審判を起こされた時点で早急に行わなければならない最低限の4ポイントを整理して解説しました。

第1回期日の確認と出席者の調整

第1回期日は、裁判所(と労働審判委員会のメンバー)の予定によって一方的に指定されます。

労働審判申立書と共に送付される「期日呼出状及び答弁書催告状」という書面に、第1回期日が記載されています。また、この書面には、期日の1週間~10日前程度の期限に答弁書を提出するよう記載されています。

労働審判では第1回期日にしか事実審理が行われないことがあり、その場合には第1回期日の参加者しか証人としての証言を行えないこととなります。したがって、指定された第1回期日に、重要な関係者を出席させることができるよう、予定調整が必要となります。

弁護士への相談

会社側で労働審判に対応する場合には、準備期間が非常に短期間であり、この短期間の間に最重要な第1回期日における対応の準備、リハーサルと、答弁書による主張・立証を同時並行で進めていかなければならず、会社のみで対応することは非常に困難です。

したがって、会社側で労働審判に対応する場合には、弁護士を以来アすることが一般的です。

御社が顧問弁護士と顧問契約を締結している場合、御社の実情に詳しい顧問弁護士が労働審判を担当することが最良の選択肢であるケースが多いといえます。

顧問弁護士がいない場合や、顧問弁護士が労働問題の知識・経験をあまり有していない場合には、労働問題を得意分野とする弁護士を探すこととなります。

次のような労働問題を得意とする弁護士には注意が必要です。

  • 担当制という理由で、相談に応じてくれた弁護士が期日には同席してくれない。
  • 弁護士の人数の多さ、支店の多さを売りにしているが実際の対応は1人。
  • 労働審判、労働訴訟などの知識、経験が豊富ではない。
  • 労働者側でしか労働問題を解決した実績がない。

事前に主張・立証の準備

第1回期日までの準備期間が非常に短期間である中で、弁護士の業務も効率的かつ迅速に準備を進めていく必要があります。

そのため、弁護士に相談する前であっても、社内で行える準備は済ませておいた方がよいでしょう。

弁護士に相談する際には、時系列を予めまとめ、事実関係をわかりやすく説明できるとなお良いでしょう。実際、労働審判の限られた時間内で労働審判委員会に事実関係を把握してもらうのは非常に難しく、味方である弁護士が全く理解できないようでは、有利な解決は難しいといえます。

合わせて、基本的な資料については、弁護士に相談する際に持参するようにします。当事務所にご相談いただく際に持参していただきたい書類の例は、次のようなものです。

  • 労働審判申立書
  • 期日呼出状及び答弁書催告状
  • 就業規則・賃金規程・退職金規程などの会社の諸規程
  • 申立人(労働者)の雇用契約書・履歴書など入社時の書類
  • 賃金台帳・給与明細・源泉徴収票など支払った給与に関する書類
  • タイムカード・日報など実労働時間を示す書類

ただし、残業代や複数人の解雇といった事案の場合には、労働審判を申し立てられたことが車内で公になってしまうと、二の矢、三の矢が飛んでくる可能性がありますから、密行性にも十分配慮が必要です。

和解提案の検討

労働審判が申し立てられ、労働者の申立に相当程度の理由がある場合には、労働審判における解決では金銭的解決が図られることが原則です。

例えば、解雇が不当であることを理由として労働者の地位を確認する請求であったとしても、復職を前提とした解決となることは稀であり、退職を前提とした金銭的解決となることがほとんどです。

というのも、労働審判は話し合いによって早期に、労使間の実情に合わせた解決を実現するのが制度趣旨であるためです。

したがって、会社側としては、労働者の請求がどの程度法的に理由があるのかを検討した上で、ある程度理由があると判断される場合には、どの程度であれば金銭的解決が可能であるかについて、おおよその想定を検討する必要があるのです。社内決裁が必要な場合には、社内手続に関する根回しも必要となります。

まとめ

浅野総合法律事務所では、労働審判へのスピーディな対応を得意としております。労働審判を申し立てられたことが、裁判所の送達によって判明したときには、答弁書の締切まであまり期間が長くないことが多く、会社側の準備期間は非常に限定的です。

したがって、知識と経験の豊富な弁護士による、迅速かつ効率的な対応が必須です。

浅野総合法律事務所は、新宿の四ツ谷(東京)にあり、労働法務・企業法務を得意とする弁護士が代表を務めております。労働審判のご相談は、こちらからお気軽にお問合せくださいませ。

労働問題・企業法務のお悩みは、弁護士へご相談下さい!

労働審判、団体交渉、就業規則、問題社員への対応など、使用者側の労働問題は、経験とノウハウが重要な、非常に難しい法律分野です。

会社を経営していくにあたり、労働者との交渉は避けられませんが、一度トラブルとなれば、致命的ダメージとなるケースもあります。弁護士に頼らずに社長自身で解決するとなると、莫大な時間とエネルギーが必要です。

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