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健康情報取扱規程とは?2019年4月から策定が必要です!

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働き方改革法が、2018年6月29日に成立しました。

働き方改革法では、「長時間労働の是正」が話題となっていますが、この法律によって変更される重要な点は「労働時間」の問題だけではありません。

今回は、「長時間労働の是正」との両輪で機能する、労働者の「健康確保」について、会社側(企業側)にこの度義務付けられることとなった、会社の従業員の「健康情報取扱規程」について、弁護士が解説します。

働き方改革法による労働安全衛生法改正によって、産業医、産業保健機能の強化がはかられたことなど、健康確保についての措置を、会社内で整備していく必要がでてきました。

弁護士
浅野英之

弁護士法人浅野総合法律事務所、弁護士の浅野です。

「働き方改革」をはじめとした労働法改正によって、会社側(企業側)が、これまで以上に、長時間労働の是正、労働時間管理、健康確保に注力することが求められます。

当事務所では、「事前予防」を主眼とした労務管理について、会社の顧問弁護士としてアドバイスをしております。

長時間労働、過重労働による健康障害が増えています

厚生労働省の発表した、平成29年度に長時間労働の疑われた事業場に対する、労働基準監督署の監督指導結果によれば、対象となった25676事業場のうち、半数近くにもなる11592事業場に、違法な時間外労働を確認し、指導を行ったとされています。

公表された監督指導は、いわゆる「過労死ライン」(月80時間以上の残業)がある事業場や、長時間労働による過労死等の労災請求が行われた事業場を対象としたものです。

違法な時間外労働があった事業場のうち、「過労死ライン」(月80時間以上の残業)が発見された事業場が、8592事業場もあったとのことです。

そして、労働者の健康を確保するための、長時間労働が見受けられる労働者に対する「医師による面接指導」など、「健康障害防止措置」が不十分な事業場が、実に8割も存在したとのことです。

今回解説する働き方改革関連法のうち「健康情報取扱規程」で、会社側(企業側)が労働者の健康状態を把握し、管理していくことが、より一層求められます。

「健康情報取扱規程」とは?

働き方改革法の成立によって、労働安全衛生法が改正され、改正104条「心身の状態に関する情報の取扱い」という規定が新設されました。

改正労働安全衛生法によって、会社側(企業側)には、社員の健康を管理するため「健康情報取扱規程」を策定することが義務付けられることとなりました。

厚生労働省における、労働者の心身の状態に関する情報の取扱いの在り方に関する検討会で、健康情報の取扱いに関するルール策定が議論され、7月25日、指針案にまとめられました。

指針案によれば、個人情報保護法の定めに基づきながら、各事業場の実情を考慮して、次のようなことを規定すべきことを挙げています。

ポイント

  • 労働者の健康情報を必要な範囲おいて正確かつ最新に保つための措置
  • 労働者の健康情報の漏洩、紛失、改ざん等の防止のための措置
  • 他の必要がなくなった労働者の健康情報の適切な消去のための措置

「健康情報取扱規程」の定め方

「健康情報取扱規程」の重要性と、策定が必要となることについては理解しました。

これまで、労働時間を把握して残業代を払っていたものの、「健康」にはあまり配慮していませんでした。

「健康情報取扱規程」策定の義務は、2019年(平成31年4月1日)施行のため、まだしばらく余裕があります。

「健康情報取扱規程」をどのような方法、手続で作成したらよいかについて、さきほどの指針案を参考にして説明していきます。

さきほど解説した指針案によれば、「健康情報取扱規程」を策定するにあたっては、労働者の関与が必要とされます。

具体的には、「衛生委員会」が、会社に設置されているかどうかによって、次のように、「健康情報取扱規程」の適切な策定のしかたが、指針案には示されています。

衛生委員会の設置義務がある事業場のケース

「衛生委員会等を活用して労使関与の下で検討」することが必要とされています。会社側(企業側)の一方的な内容とならないようご注意ください。

その上で、「策定したものを労働者と共有することが必要」とされています。就業規則は「周知」が必要とされますが、労働者にも知られていなければ、ルールを決める意味が薄れるためです。

衛生委員会の設置義務のない事業場のケース

衛生委員会等の設置義務のない事業場の場合であっても、労働者の意見を聴取する機会を設けるべきであって、労働者の健康確保のための規程について、労働者の意見を反映し、実情にあったものとすべきです。

具体的には、さきほど改正した指針案にも「関係労働者の意見を聴く機会を活用する等、労働者の意見を聴いた上で取扱規程を策定し、労働者に共有することが必要」であると示されています。

労働者との規程の共有について

衛生委員会がある場合であれ、ない場合であれ、いずれであっても、義務に基づいて策定された「健康情報取扱規程」を、労働者に対して示す必要性は変わりありません。つまり、情報共有が重要というわけです。

共有のしかたについても、就業規則の周知と類似して、次のように行うことが、指針案で勧められています。

ポイント

  • 就業規則その他の社内規定等により定める
  • 当該文書を常時作業場の見やすい場所に掲示し、又は、備え付ける
  • イントラネットに掲載を行う
  • 等の方法により周知する

まとめ

今回は、「働き方改革法」の一環として労働安全衛生法の改正によって会社に策定が義務付けられる「健康情報管理規程」について、弁護士が解説しました。

この改正は、話題になっている「働き方改革」の一環であり、「長時間労働の是正」とともに、労働者の労働環境の改善をうながすものです。

「働き方改革」のその他の改正とともに、今一度、就業規則をはじめとした会社の諸規程類の見直しの準備を進めてください。

「働き方改革」をはじめ、労働法の法改正に対応した、正しい労務管理を徹底するために、企業の労働問題へのアドバイスを得意とする弁護士に、法律相談ください。

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