飲み会労災

労災認定がなされるためには、会社の業務に関係する行為による災害である必要があり、そこには法律上の要件があり、これを労基署が第一次的に判断をします。

業務それ自体ではなく、業務後に行われた飲み会の帰りに事故に遭ったという場合、飲み会を業務であると考えるのかによって判断が分かれてきます。

行きたくもない飲み会に、上司の指示で嫌々参加しているといった場合には、「これは業務だ。」と考えたくもなるでしょう。

業務後の行為について、労災認定がなされるのか否か、その判断要素について解説します。

労災認定を受けるための要件

業務災害として認定されるためには、労働から生じた災害であることが必要です。

労働とは、労働契約に基づいて、使用者である会社の指示の下に労働者が行うものです。したがって、労災認定の際にも、労働者が使用者の支配下にあったかどうかが重視され、その上で、その災害が業務によるものであるかを判断します。

この際に用いられる判断要素が、「業務遂行性」、「業務起因性」という用語です。

  • 業務遂行性
  •   労働者が、使用者の支配下にあるかどうか

  • 業務起因性
  •   災害が、業務に起因しているかどうか

まずは業務遂行性を判断し、業務遂行性がない場合には、労災認定はなされません。

業務遂行性がある場合には、次に、業務起因性の判断をします。

本来の業務後の飲み会が「業務」と評価されるか

「業務」とは、使用者の指示によって労働者が行うものですから、飲み会が使用者の指示に基づいて行われれば「業務」であると評価される可能性が高まるということとなります。

これに対して、同僚との楽しい飲み会であれば、それが会社の関係者と共に行われ、その後仕事に戻ったとしても、飲み会は「業務」とは判断されないこともあるでしょう。

本来の業務後の飲み会が「業務」と評価される方向の要素

  • 社長、上司から飲み会に参加するよう指示があった
  • 飲み会にいかないと注意指導されるなど、事実上行かざるを得ない事情があった
  • 会社の社員が全員参加していた
  • 飲み会の際に幹事、司会、社長の送迎などの義務を与えられていた
  • 飲食費用を会社が経費で負担していた

本来の業務後の飲み会が「業務」と評価されない方向の要素

  • 同僚のみの飲み会で、上司や社長は参加していない
  • 参加、不参加は自由に決めて良く、心理的強制もなかった
  • 飲食代金は参加者で割り勘であった
  • その後仕事に戻ることは予定されていない

まとめ

以上の通り、単なる飲み会だと会社が考えていたとしても、これが業務の一環であると評価される場合があります。

強制参加の飲み会を繰り返せば、その際に事故等が発生した場合に労災となることはもちろん、会社は安全配慮義務違反の責任を負い、労災でカバーされない損害について賠償をしなければなりません。

更には、強制の程度によっては、業務と同等と評価されれば、残業代の請求が労働者からなされるおそれもあります。

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