美容業界離職率

美容業界(美容室、エステなど)は、人材が命、というのは、初期投資が、他の業種に比べて非常に少ないことからもわかるでしょう(もちろん、お金をかける場合には際限ないですが)。

そのため、初期投資のコストがそこまでなかったとしても、良い人材を採用し、定着させ、店舗を拡大していけば、事業を急速に成長させることが可能となります。

とはいっても、美容業界の離職率の高さは非常に深刻です。

今回は、採用の段階から、離職率を少しでも低くし、採用コストを下げ、人事労務の観点から経営を発展させることについて解説します。

なぜ美容業界の離職率が高いのか

美容業界に定着するためには、例えば美容室であれば、シャンプーから始まり、カット、カラー、パーマ、接客技術など、鍛えなければならないテクニックが非常に多く存在しますが、これらを順々に訓練していかなければなりません。

これらの訓練は、単調なものも多く、また、多くの場合には辛い努力を伴うことから、離職率はますます高まります。

離職率が高いことのデメリット

顧客が減少し、売上が減少する

事業の発展が人材次第であるということは、逆にいうと、顧客がお金を払うのも、人に対してついている、ということとなるのです。

したがって、仕事のできる美容師、顧客のついた美容師が退職してしまえば、顧客もその美容師についていなくなってしまい、良い従業員が退職することによって、店全体の売上の減少に直結します。

採用コストの増大

辞めた従業員を補うためには、採用活動を再開しなければなりませんが、これにも広告費、エージェント料などのコストがかかります。

辞めた従業員に顧客をとられて凹んでいる経営者であっても、顧客は人についていくことは十分理解しているでしょうから、単に頭数を揃えれば良いというわけではなく、きちんと選定しなければなりません。

訓練機会の減少、技術の低下

離職率が高く途中で逃げてしまうのであれば、経営者としてもコストと自分の時間を犠牲にしてまで従業員を教育しようとはしません。

その結果、従業員の技術は低下し、顧客も離れていきます。

逆に、自分から努力をする従業員は、居残り練習などを行って技術を上昇させて顧客をつかみ、その顧客を持って独立していきます。

顧客をつかんだ従業員が独立後、居残り練習分の残業代を請求してきた、などというケースになれば、目も当てられません。

以上の悪循環を治さないのが「ブラック企業」

この悪循環を回し続けても、倒れないように経営していくことはできます。そのようにして生き残りの戦略を見つけた企業が「ブラック企業」なのです。

ブラック企業は、まず、ある程度辞めてもよいという前提で大量の採用をし、大量の従業員に対して教育はせず、法律違反の安い賃金で使い倒し、倒れてしまったり、使えなくなってしまったりした従業員から順に、パワハラ、退職勧奨などで辞めさせ、また次の従業員を大量採用します。

採用戦略の見直しで離職率を提言

このブラック企業の悪循環にならないよう、まず、離職率の低下に歯止めをかけなければなりません。

とはいえ、美容業界が人材ビジネスである以上、「独立心があり、顧客をつかむ従業員」が一定程度独立することは仕方ないものと思います。しかし、「どうせ辞めるから」と諦めるのではなく、定着しやすい労働環境、人事制度作りをきちんと行うかどうかが、成功の分かれ目です。

離職率低下へ向けたスケジュール

まず、経営理念などを作成し(既にある場合には練り直し)、従業員に理解しやすい指針まで落とし込むことによって、離職しにくい環境づくりをします。

その上で、人事理念を作成し、これに基づいて、採用戦略を具体的に計画していきます。

業種と対象者にもよりますが、年中採用に困らない、ということは少なく、計画的な採用をしなければ経営は発展しません。

最後に、定着率を高めるため、労働法に関する知識をしっかり習得してもらいます。

労働法の知識は、法律は一つであるものの、それぞれの立場によって異なる価値観、考え方に合わせて理解を進める必要があります。したがって、社長、店長、一般従業員といった立場に合わせ、弁護士としても解説の仕方を変えています。

まとめ

浅野総合法律事務所でも、美容業界の企業に対して、次のようなサービスを提供しています。

  • 経営理念の作成、練り直しのお手伝い
  • 経営方針、ビジョン、行動指針などの練り直しのお手伝い
  • 人事理念の作成
  • 社長、店長、一般従業員の立場に応じた労働法に関する研修
  • 採用戦略の計画的な作成のお手伝い

これらのことを一度に行うことは困難ですが、労働法の得意な弁護士と二人三脚で進んでいくことにより、これまでは定期的に2,3年で辞める従業員の多かった店舗から、離職率を0にすることに成功したケースもあります。

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